バスで買い物に向かう参加者

 地域の路線バスを利用する機運を高めてもらおうと、日高町は20日、比井地区の住民を対象に旧比井小学校体育館で、公共交通を考えるワークショップを開き、15人の地域住民が参加。実際にバスで買い物にも出かけた。

 普段の生活で「マイカーを使う」「免許を返納した」「バスを利用する」という60~80代の男女が3グループで意見を交換。「主にどこへ出かけるか」「移動手段は何か」「バスを利用する理由、しない理由」「バスをよりよく利用するには?」を出し合った。

 町職員や熊野御坊南海バス株式会社の上田裕紀御坊支社長がマイカー、タクシー、バスの利便性と費用、町の助成制度、路線バス阿尾線の現状を説明。「バスに乗る人が減っていて、このままではバスがなくなってしまいます。バスがなくなると車を運転しないお年寄り、子ども、体の不自由な人らが移動できない。だからたくさん乗って、残していきましょう」とバス利用をPRした。

 御坊市内のスーパーへバスで買い物に行くシミュレーションをした後、実際に比井バス停から乗車して体験。普段はマイカー中心という山本哲久さん(73)は「これから車に乗れない人も増えてくる。なくなったら生活が大変なことになる。路線の維持・存続へ真剣に考えないといけないですね」と話していた。