乾燥シイタケの製造の様子

 印南町印南、障害者就労継続支援A型作業所を運営する株式会社ワークメイト印南は、製造・販売している乾燥シイタケを12月1日から25日まで、香港のドン・キホーテで開催される県主催の「和歌山フェアin香港DON DON DONKI(ドンドンドンキー)」に出品する。製造過程のほとんどを障害者の作業所が担う商品の出品は今までなく、海外への販路開拓、利用者の働く意欲向上が期待されている。

 ワークメイト印南は障害者を対象にした就労継続支援サービスを提供。サービスにはA型とB型があり、A型は利用者と雇用契約を結ぶため最低賃金の支払いが保障されている。作業所では現在15人が働き、同じ敷地内にある紀州きのこ園の受託業務を主に、乾燥シイタケを製造販売。商品は美浜町のよってってや御坊市のスーパーデリシャスHIROのほか、京阪神や大分、徳島のスーパーなどにも出荷され、町の特産品として人気がある。

 香港で開催される和歌山フェアは、県が県内事業者の販路拡大を支援するため、ドン・キホーテを展開する株式会社パン・パシフィックインターナショナルホールディングスと協定を結び、昨年から開催している。今年6月に出品事業者を公募し、同社の選考で選ばれた約150の商品を香港の消費者にPRする。

 応募は、作業所管理者の的場信夫さん(70)が「乾燥シイタケを海外の消費者にも広めることができれば、作業所で働く仲間の励みになるのでは」と考えたことがきっかけ。香港でもシイタケは人気の食材で、特にスライスしたものは屋台でも多く使われている。40㌘入りのスライスシイタケで応募し、見事、選考を通過した。

 的場さんは「A型作業所として、シイタケの加工だけでなく、いろんな付加価値のある商品づくりで仕事を増やし、障害者の働きがいを創出できたら」。町の岩﨑佳江住民福祉課長も「利用者の働くモチベーション向上になることを期待しています」と話している。商品は香港のドン・キホーテ全8店舗で出品される。

 ともに働く仲間を募集 シイタケの栽培ポットの洗浄、乾燥シイタケの製造作業の2部門で働ける障害者を募集している。詳しくは同社℡0738ー42ー1186まで。