チャーター機のタラップを男女5人が降りてくる姿は、20年経った今でもはっきり覚えている。多くの人の目に焼き付いている光景だろう。北朝鮮によって拉致された日本人のうち、5人が2002年10月15日に帰国して丸20年になった。当時の小泉純一郎首相は、拉致被害者の帰国を実現させたことから、筆者の中では歴代で最も好きな首相になったし、今でもそうだ。あれからもう20年、帰国した5人の家族も無事日本の地を踏めたが、それから進展がないのがもどかしい。いまだ北朝鮮にとらわれたまま帰国できない被害者がたくさんいることを思うと、胸が痛い。
15日付の大手新聞には、帰国を果たした拉致被害者や家族のインタビュー記事が掲載されていた。その一人、11月5日には美浜町でも講演予定の蓮池薫さんは、産経新聞の取材に、帰国当時の国民世論の勢いは忘れられないとし、「政府がわずかでも成果を出せれば、国民は必ず盛り上がる」と話されていた。今も北朝鮮にいる横田めぐみさんの弟の拓也さんは毎日新聞に「横田家のかわいそうなストーリーととらえず、わがこととして問題意識を持ってほしい」と話されていた。
政府は拉致問題を最重要課題と位置付けている。水面下での交渉など解決へ向けて動いているのだろうが、成果となっては表れていない。一国民として出来ることは何だろう。やはり関心を持ち続けることであろう。蓮池さんや横田さんの記事を見てあらためてそう感じた。世論は国を動かすことができる。拉致被害者全員の帰国を実現へとつなげるのは、国民一人ひとりの思いなのだと強く感じる。自分たちも力になれると信じて心に持ち続けたい。(片)


