温州ミカンゆら早生の収穫作業を体験

 由良町で今月8日から、都会からの移住や就農に関心がある人らが農作業を体験する「ムラ暮らしインターン」事業が行われている。

 主催は以前、同町の観光や地域づくり推進業務の委託を受けていた福岡県の一般社団法人九州のムラ。将来的に移住や就農につなげることを目的とした農水省の農山漁村振興交付金事業の一環で、2年目の今回は、千葉や兵庫などから20~50代の男女6人が参加している。

 日程は8日から14日まで、12月3日から9日までの計2週間。初日はオリエンテーション、2日目は選果場見学など、3、4日目は各受け入れ先の農家で農業体験を行った。

 12日は三尾川の数見農園の園地で温州ミカンゆら早生の収穫体験が行われ、東京から実家のあるみなべ町西岩代へUターンした宗像(むなかた)真弓さん(48)と徳島県鳴門市の大学生平田開都さん(21)の2人が参加。園芸ばさみで1個ずつ丁寧に収穫していた。

 宗像さんは「実家は梅農家。今回の体験を通じて梅栽培にどう生かすことができるのかを学ぶ目的で参加しました。作業はとても楽しいです」、平田さんは「大学で農業関係のことを専攻しています。コロナの影響でフィールドワークができませんでした。今回、現場で農業を体験できてよかったです」と笑顔。数見農園の数見隆一郎さん(46)は「農業体験を通じ、まちのことを知ってもらえればと思います」と話していた。

 参加者6人のうち、ほかの4人は中谷明博さん、川口拓洋さんの園地で収穫作業した。11月には別のグループ6人の体験が行われ、事業を通じて町内の計9軒の農家が受け入れる。