瑞宝双光章を受章する亀井さん

 警察官や消防士ら著しく危険性の高い業務に精励し、社会に貢献した人を対象とする危険業務従事者叙勲(11月3日発令)の受章者が発表され、県関係は29人が受章する。本紙エリアからは一人、警察功労で元県警視の亀井泰久さん(73)=日高町比井=が瑞宝双光章を受章。伝達や拝謁は新型コロナの影響で未定となっている。

 亀井さんは新宮市出身で、1970年4月に警察官となり、警察学校卒業後の御坊を振り出しに湯浅、田辺、新宮、串本、和歌山東、和歌山西各署、本部では交通規制課、警備課、交通機動隊で勤務。地域から刑事、警備、交通までさまざまな部署で活躍、2010年3月に交通機動隊副隊長で退職するまで40年間にわたり、強い正義感を持って住民の安心安全を守り続けた。

 警察人生のうち約半分を過ごした交通部門では、道路管理者と連携して事故危険箇所の道路改良、交通安全施設の設置、信号機の設置・改良に尽力。「雨が降るたび事故が起こっていた」という広川町の水越峠への減速帯設置、和歌山城西側の西汀町交差点の信号機改良に従事し、「道路管理者には無理を言いました。事故が減って、それが実感できたときはうれしかった」と笑顔を見せる。

 海南市下津町の国道42号渋滞緩和に向けた信号機の改良では、通勤時間帯に現地を歩いて回ったり、交通課長時代は高齢者を対象にした安全講話で事故を起こさない、事故に遭わないようルール順守を呼びかけたり、熱心に活動。悲惨な事故を何度も目の当たりにし、「昔は事故が多かった。嫌われ者になっても事故をなくさなあかんと思ってやっていました」と振り返る。

 好きな言葉は「継続は力なり」で「公私に関わらず何ごとも一生懸命、怠けずにやれば努力は報われて必ず結果が出る」。刑事部門で余罪200件余りの侵入犯検挙や警備部門で「県拡声機による暴騒音規制条例」の制定に携わった。受章に「うれしく、ありがたく、名誉なこと。自分一人の力ではなく上司ら先輩、同僚、仲間、地域の人のお世話になったからこそ」と話している。