地球温暖化などの環境問題を考えるうえで効果的とされる二酸化炭素の削減。世界中でさまざまな取り組みが行われており、ソーラーカー開発もその一つ。太陽光パネルを車体に載せて、発電した電力をバッテリーに充電しながらモーターを回転させて走る仕組み。排気ガスが出ず、走行音が非常に小さいという特長があるが、コスト削減や車体重量の問題があり、実用化はまだ難しいという。
そんなソーラーカーの開発技術を競う白浜ECO―CARチャレンジが先月23・24日、白浜町の旧白浜空港で初開催。ソーラーカー部門には学生や一般の13チームが参加し、飛行機の滑走路を利用した一周2・4㌔の周回コースで耐久レースが行われた。間近でソーラーカーを見るのは初めてだったが、車体は太陽光パネルを搭載するためほとんどが平らな形で、軽量化を図るため運転席は1人乗るのがやっという大きさ。近未来的な形といえばそうなのかもしれないが、確かに乗り心地や利便性は悪そうだ。ただ、驚かされたのはそのスピード。勉強不足なのを承知で言うと、シニアカーに毛が生えたような速度しか出ないのかと思っていたが、なんのなんの、和歌山大学チームの話では最高速度100㌔で、このレースでも80㌔ぐらいで走っているとのこと。一般道を走るのにこんなにスピードはいらないから、最高速度や車体重量のバランスを考えれば実用化もそう遠くない気がした。シニアカーぐらいなら100%太陽光発電の車両もできるかもしれない。
和歌山の舞台を通じて最新技術の開発に一役買えるのは光栄なことで、ソーラーカーのまちとしての地域活性化にも期待したい。(吉)