県政記者クラブで会見する本間氏

 11月10日告示、27日投開票の知事選挙に向けて、昨年10月の衆議院総選挙和歌山3区に出馬した政治団体「新党くにもり」前代表の本間奈々氏(53)=田辺市在住=が26日、無所属新人の立場で立候補することを表明した。

 福岡県生まれ、早稲田大学法学部卒業。1993年から旧自治省(現総務省)で勤務し、愛知県春日井市副市長や東京の自治大学校研究部長・教授を務めて2011年に退職し、同年と15年の2回、自民党推薦を受けて札幌市長選に立候補した。新党くにもりはおととし6月に発足し、代表に就任したが、今年夏の参議院選挙惨敗の責任や、今回の知事選立候補について党内で意見が割れたこともあり、今月23日付で代表を辞任。現在は常任幹事となっており、党員の応援が任意という形で、無所属での出馬となる。

 立候補については「カジノ(カジノを含む統合型リゾート=IR)の火が和歌山ではまだ消えていない。県はカジノを断念せず休止中で、知事選に立候補する岸本氏は賛否を明確にしていない。私たちはカジノ反対を明確にしており、県民の皆さまに選挙を通じてカジノをどうするのか問いたい」とし、メガソーラーや新型コロナワクチンの子どもへの接種反対なども訴えていく。また、知事選に向けて一時分裂していた自民党県連が岸本氏推薦でまとまる見通しとなり、「このままでは岸本氏と共産党の戦いになり、県民の選択肢がなくなる」とし、自身が保守系の新たな受け皿となる考えを示した。

 知事選には前衆議院議員の新人岸本周平氏(66)が出馬を表明しており、共産党県委員会や県教職員組合などで構成する「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」も候補者擁立を進めている。