ロシアがウクライナに侵攻して以来7カ月が経過した。当初は「ロシアの軍事力が圧倒し、短期間で戦争が終わるのではないか」という見方もあったが、ウクライナが奮闘し、奪われた領土を奪回するなど気勢を上げている。しかし、その戦いの裏には尊い命の犠牲がある。肉親を失った悲しみ、相手国に対する怒りは増す一方。誰しもが殺し合いのない平和な世の中を願っている半面、終息の兆しさえ見えず、戦いは泥沼化するばかりだ▼そんな中、ロシアは兵力を補強するため、30万人に召集令状を出したという。これに対して市民は抗議を続けているが、デモに参加し拘束された人にも召集令状が出されるケースが相次いでいるという。国外へ脱出しようとする人も後を絶たず、ビザなしで入国できるジョージアの国境では車の渋滞が発生している▼かつての日本も召集令状が届いた。それには絶対に背くことができなかった。「お国のために頑張れ」と回りから万歳三唱で見送られたが、内心は複雑な気持ちだっただろう。愛する妻や子ども、両親らと離れて戦地へと赴き、二度と日本へ帰ってくることができないかもしれない。そんな考えは誰しもにあったのではないか▼この先、日本でも何が起こるか分からない。ロシアがウクライナに侵攻したように将来、どこかの国が日本へ攻め入って来ないとも限らない。召集令状も届くかもしれない。そうなれば、自分の意に反して武器を持つことになる▼今の平和を維持するには何をしなければならないのか。それは憲法9条を守ることなのか、武力を増強することなのか。ウクライナで起こっていることは決して対岸の火事ではない。(雄)