最優秀作品賞 「牡丹の花」 の土居監督㊨と小川実行委員長

 印南町で開催された「Kisssh Kissssssh(きしゅ~きしゅ~)映画祭」は24日に最終日を迎え、会場のかえるの港などに町内外から多くの人が訪れ、まちなかでの映画鑑賞を楽しんだ。注目のインディペンデント映画(自主制作)5作品のコンペは、来場者の投票の結果、現役大学生監督土居佑香さん(22)の「牡丹の花」が最優秀作品賞(グランプリ)に決まった。

 映画の上映は公民館や商工会館で行われ、2日間で計12作品を上映。夜にはかえるの港の駐車場に特大スクリーンを設置し、星空と港の雰囲気を感じながらの上映が行われた。

 来場者の投票でグランプリを決定するインディペンデント映画のコンペは5作品が上映され、近畿大の土居さんがメガホンをとった「牡丹の花」が最優秀作品賞を受賞。表彰式では土井監督にトロフィーと賞金、印南町の特産品詰め合わせが贈られた。

 土居監督4本目の作品となる「牡丹の花」は、線香花火職人の娘牡丹(ぼたん)が父と同じ道を目指すも反対され、仲違いしてしまうが、数年後、あるきっかけで帰省した際、父と一緒に線香花火をして和解するという内容。心温まる親子の物語が多くの観客を魅了した。

 土居監督は「線香花火は一緒にした人との思い出が強く残るイメージがあり、そこから着想を得て制作しました。賞をとれてうれしいです。これから作品をたくさん撮って、有名な映画監督になれるよう頑張りたいです」と喜びを表した。

 このほか、最優秀主演俳優賞は同じく「牡丹の花」で主人公を演じた小野莉奈さん、最優秀助演俳優賞には「ここには俺らしかおらん」(坪井篤志監督)の早田優太さんが選ばれた。

 印南町で初めて行われた映画祭を振り返り、小川貴央実行委員長(47)は「映画祭が始まって10年目になります。その節目にふさわしい映画祭になったと思います」。かえるの港を運営する株式会社和みの古田高士代表取締役(41)も、「これから印南にたくさんの人が訪れてもらえるよう、来年もここで開催したい」とあいさつした。