御坊市は20日、災害時の個別避難計画の作成に関する会議を開き、高齢者や障害者の避難行動要支援者が避難時に必要な支援者、避難場所などを個別に策定する計画の取り組みを始めた。

 内閣府は2025年度までに、災害時発生時に同意を得られた避難行動要支援者一人ひとりの避難方法を明確にする計画の策定を求めている。今年1月1日現在の全国市区町村の策定状況は計画済みが137団体(7・9%)、一部作成中が1030団体(59・2%)、未作成が574団体(33・0%)。

 会議は市役所で開かれ、行政、社会福祉協議会、在宅介護支援センター、警察、消防などの関係者23人が参加。社会福祉課から個別避難計画の説明があり、「御坊市では災害時要援護者登録制度で9月7日現在、1808人の登録があるが、対象者個別の心身の状況、支援者の把握などが行えておらず、災害が発生した場合、避難支援に活用できる状態とはいい難い」と述べた。

 今後の方針についても説明し、11月中に市役所の担当課、社協、在宅介護支援事業所、総合相談センターなどで組織するワーキングチームを結成。12月から来年1月にかけて旧町村単位で地区懇談会を開催し、計画の必要性などを共有して、大規模自治会の薗地区、小規模自治会の森岡地区をモデル地区として進める。

 意見交換では、「避難方法は地震や洪水など災害の種類によって異なる。地域の実情を考慮した計画にすることが大切」「ただ計画を策定するだけでなく、実行性を持たせた内容にすることが重要」などという意見が上がった。

 自主防災組織連絡協議会の酒本和彦会長は「個別計画を作った上、住民の災害対応に対する意識づけ、災害弱者への支援が重要で、それには各地区での防災組織が必要になってくる」と述べた。