日高川町を拠点に小中高生がダンスや演技、演奏で舞台表現する「あすなろ倶楽部・絆の星」が、結成10周年の節目の公演を行った。

 結成のきっかけとなり、当初から舞台で交流してきた大阪狭山市の「表現倶楽部うどぃ」と創り上げた新作「第一回 清流の宴 映し水の誓い」を披露した。あすなろ倶楽部は、ふるさとの伝統や歴史、文化などを取り入れた物語を演じており、今回も日高川町と大阪狭山市に住む2人の高校生が時空を超えて出会い、成長していくストーリーだった。渾身の演技と力いっぱいのダンスを生演奏が盛り上げ、心を打たれた観客には涙ぐむ人も多かった。今回の舞台の特徴の一つに、あすなろとうどぃ、体験生の日高川ごんぱっちーず☆のほか、あすなろ同様、うどぃとの交流舞台をきっかけに設立された佐賀県武雄市の「飛翔倶楽部たけお」、佐賀県基山町の「表現の絆みらぃ」も参加したことがある。50人以上のキャストが練習に励み本番を迎えて交流を深めており、大阪狭山や佐賀県で公演があるときには、あすなろのメンバーも出演し、花を添えるのだろう。こうして活動がつながり、そしてまた、その公演を見た子どもたちが「自分たちもやってみたい」と大きく広がっていくのがとても素敵だと思った。

 取材を通して気が付いたのは、その活動を温かく、そして力強く支える大人の存在が大きいこと。あすなろを運営する未来サポート日高川をはじめ、脚本・演出や振り付け指導など舞台づくりも多数の大人が関わっており、そのなかには、あすなろやうどぃの卒業生も大勢いる。子どもたちのひたむきな活動が大人を動かし、そのサポートを受けた卒業生がまた支援に加わる強い絆も広がっており、まさに「絆の星」になっている。(陽)