今回私がオススメする本は浅倉秋成氏の『六人の嘘つきな大学生』です。2022年度の本屋大賞にノミネートされるなど、各所で話題作として取り上げられている作品ですのでご存じの方も多いかと思いますが、こちらの想像のはるか上をいく衝撃作でした。就職活動中の大学生たちが織り成す一連の騒動がベースとなった作品で、それゆえに独特の空気感や緊張感があります。

 私自身、昨年就職活動を終えたばかりですので情景をイメージしやすかったですが、逆にこの作品を通して就職活動がどのようであるかを追体験することもできると思います。タイトルにもある通り、「嘘」がカギとなっている作品なのですが、それは自分をよく見せるために作り出しているのか、はたまたそうではないのかなど、深く考えながら読み進めるとより面白いです。読み終わった後、言葉に出来ない絶妙な感覚に襲われて疑心暗鬼にもなってしまいますが、数々の伏線や劇的なドラマは秀逸と言わざるを得ないでしょう。それ故に一度読み始めると先が気になって止まらなくなりますので、然るべきタイミングに読み始めるのがよいでしょう。