第38回読売書法展(読売新聞社、読売書法会主催)の入賞・入選者が決まり、日高地方関係では公募の漢字部門で橋本瀟碧(しょうへき、本名麻由)さん(31)=日高町=、弓場龍溪さん(日高町)が主宰する溪友会の辻村多佳子さん(76)=田辺市=が特選に選ばれた。2人とも初めての特選で、「うれしいです」と喜んでいる。東京展は26日から9月4日まで六本木の国立新美術館、関西展は9月7日から11日まで京都市の京セラ美術館と京都市勧業館(みやこめっせ)で開かれる。

 橋本さんは青潮書道会に所属しており、昨年は日展で初入選を決めた。今回の作品は、唐代の政治家・詩人の蘇頲(そてい)の七言律詩。高校時代から好きな書体の隷書で、用紙を横長に使い、56文字が11行に収まるよう構成を工夫しながら書いた。「全体のバランスが美しくなるように心を配りました。3回入選していますが、特選は初めてで、ご指導くださる松村博峰先生もとても喜んでくださいました。うれしいです」。

 辻村さんは6年前、古希を迎えたのを機に書を習い始めた。今回は明代の詩人、馬中錫(ばちゅうせき)の七言律詩を書いて初の特選。「見せ場を考えるなど、工夫して書きました。まだ習い始めて日も浅く、こんなにいい賞をいただけるとは思っていなかったのでとても驚きました。ご指導の弓場先生のおかげです」と喜んでいる。

 このほか、漢字部門では安宅川崇山さん(美浜町)主宰、崇光社の中嶋紅玉さん(御坊市)と津村龍堂さん(日高川町)主宰、石門会の堀口祥虹さん(印南町)がいずれも3度目の秀逸賞を受けた。かな部門では村山弥舟さん(由良町)が5回目の秀逸賞を受賞。次回から評議員に昇格する。

 溪友会、崇光社、石門会関係と日高地方の会友出品・入選は次の皆さん。
 【漢字】会友出品=上野山紅霞(有田市)、丸畑白鈴(広川町)、丸田咲華(印南町)、鳥居哲石(日高川町)▽入選=中村篝花(和歌山市)、髙垣星湖、古川美奈(以上有田市)、石本光波、松村錦舟(以上御坊市)、小田萩桜(由良町)、赤坂ひかり、中松日向葵(以上みなべ町)
 【かな】入選=笹野美翠(印南町)
 【調和体】会友出品=御前美溪(有田市)、津本玉倉(美浜町)▽入選=齊清美、楠本弘溪、小西香名、宮本紀美子(以上御坊市)、瀧畑光洋(田辺市)、宮本凱子(日高町)、山岡龍史(白浜町)、梶原祥子(埼玉県)