EU離脱後、世界各国との自由貿易協定締結を進め、インド太平洋地域との経済、安全保障の結びつきを強化させている英国。ともに新機種開発のタイミングとなった日本との間で、次期戦闘機を共同開発することになった。

 武力を背景とした力による現状変更を試みる中国と比べると、日英の両国の戦闘機の性能は低く、保有数は格段に少ない。英国は以前からロシア軍機、日本は今年になって中国軍機、ロシア軍機へのスクランブルが急増傾向にある。

 航空自衛隊の現在の主力戦闘機はF2、F15、F16の3種類。F2は米国のF16をベースに改良、20年以上前に配備された国産戦闘機で、高い対艦攻撃能力を有するが、ステルス性能は低く、2030年代半ばから退役が決まっている。

 日本は英国とともに、この古くなったF2の後継機を開発する。報道によると、開発主体は三菱重工業と英国の航空・防衛大手「BAEシステムズ」で、ステルス性能や高性能レーダーを備え、多数の無人機と連携して戦える点が最大のウリらしい。

 この戦闘機開発も、国際情勢や自国の安全保障環境、財政状況等の変化に伴い、日英両国とも曲折を経ての決定。互いにロシア軍機による領空侵犯が続くなか、自由主義国連合として結束し、中ロに屈しない意志を示す意味でも、最高のプロジェクトになるだろう。

 新たな首相選び(保守党党首選)は女性のトラス氏勝利の見方が有力。超大金持ちの対抗馬(スナク前財務相)とは対照的に、「Girl next door(近所の普通の女の子)」といわれるほどの清純イメージだが、対中国・ロシアの強硬さは揺るぎないという。少し早いが、日本との関係強化を期待したい。(静)