加工したニンニクを手に井上さん

 将来あるべき地域農業の姿(将来ビジョン)の立案と、その実現に向けた取り組みを支援する県の青年リーダー育成支援事業で、由良町神谷の農業者、井上慶祥さん(30)が事業採択者に決まった。

 2022年度新規事業で、業務スーパーや産直市場よってってを展開する株式会社プラス(田辺市)の野田忠取締役会長や家族の寄付金を財源に実施。5件の応募があり、審査の結果、井上さんのプランが最優秀(補助金上限500万円)に決定した。

 井上さんの事業プランは、地元特産ニンニクの加工施設「YURA GARLIC FACTORY」を町内に設置し、自身の生産に加えて地域の農家からニンニクを購入。1次加工(ペースト、みじん切り)を行い、加工食品や飲食店でも使えるような商品を開発・販売することで、にんにく産地の復興を目指す。

 井上さんは2015年、イベント企画やデザイン、特産品販売の株式会社ゆらちょうを設立。同町が全国有数のニンニク産地だったことを知り、産地の復興に向けて18年から生産を始めた。現在の経営面積は大引を中心に1㌶。生のニンニクを施設で加工し、商品化する計画で、早ければ5年で法人化するつもりにしており、「補助はスタートダッシュの支援で、まだまだ未熟な農業者として事業を完遂させ、産地の復興につなげたい」と話している。