和歌山県青少年育成協会主催、少年メッセージ県大会が今年は当地方の日高川交流センターで開かれ、各地方大会で選ばれた代表の中学生18人の発表を聴いた。当日高地方からは4人が県の舞台に臨み、1人が銀賞、1人が特別賞を受賞し、2人が入賞した◆銀賞の中学生は「思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから」、言葉が行動に、行動が習慣に、習慣が性格に、そして「性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから」と続くマザー・テレサの名言を紹介。「思考はいつか運命になる。自分の運命は変えられる」と主張した。まったくの偶然なのだが、この記事を報じた同じ日の文芸欄に、この名言を書いた崇光社会員の書道作品が掲載。不思議な暗合に、より強い印象が残った。発表者の体験談と合わせ、思いの込もった声、ひたむきな表情で発せられることで、聴く人の心にその真意が浸透したように思う◆特別賞は、少年のように目を輝かせて釣りに臨む父の姿に「青春に年齢は関係ない」という思いを強くしたという発表。入賞の1人は、両親が自分の料理への感想を伝えてくれた喜びの大きさから、小さなことでも伝えることが大事と学んだという発表。もう1人は、両親と同じクリーニング師になりたいという力強い決意を述べた発表だった。いずれも、伝わってきたのは家族や周囲の人との間にとてもいい関係性があること。他地方からの発表も興味深く、特にウクライナでの現状への激しい憤りの表明は心に重みを残した◆12歳から15歳まで、中学校で過ごす3年間は「自分」と自分以外の「世界」との関わりを自覚する時期。この時期にいい出会いを経験した18人の発表は、拝聴した中高年者の心にも活力をくれた。 (里)