早蘇中学校で2、3年生を対象にライフプランニングの授業が行われた。人生設計を備えの面でサポートする日本生命保険相互会社が実施している中高生向けの出前授業で、教師による事前学習と同社職員による授業の構成。

 事前学習では、どんな自分になり、どんな人生を送りたいかを想像し、何を大切にして生きて行きたいかを考えたという。2時間目となる同社職員の出前授業では、事前授業で考えた「大切にしたいこと」の実現に向けて現在や3年後、10年後に何をすればいいかを考えた。例題では、大切なものが違う2人の人物について、18歳と23歳時点でどのように過ごせばいいか、選択肢から選んだ。印象的だったのは、目指すゴールとなる25歳時点での職業が2人とも2つ設定されていること。大切なことが複数あり、それを大切にしながら生きる未来の設計なので、仕事はそのための手段。もちろん就きたい職業に就くことが大切なことなら、それがゴールになる。

 子どもの頃は、将来の夢や目標に職業を挙げがちで、その目標に向かって突き進める人はいい。高校時代の大谷翔平選手が「8球団からドラフト1位指名を受ける」という目標を設定したマンダラートも話題になった。しかし、そんな風に明確に人生の目標を決められる人ばかりではない。目指すものが見つけられず消去法やなんとなく進路を決めている人も多いはず。そんな時は「何を大切にして生きていきたいか」を考えてみればいいのかと目からうろこが落ちた。

 終身雇用制度も崩れつつあり、働き方が大きく変化しているこの時代、「大切なこと」を基本に複数の選択肢を持っていれば、やりがいや生きがいを持ち続けながら自分らしく生活できると思った。(陽)