「陽性者の家族は7日間、自主的に自宅待機を」 と仁坂知事

 全国的に第7波とされる新型コロナウイルスの感染が急拡大している中、県内では12日、過去最多となる609人の新規感染者を確認した。御坊保健所管内でも4件のクラスターが発生し、過去最多の54人の感染が判明。感染力の強いオミクロン株の変異株「BA・5」への置き換わりが進んでいるのが要因とみられ、県は夏休みを前に危機感を募らせている。

 全国的な感染再拡大を受けて政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は11日、感染の第7波に入ったとの認識を示した。県内の感染者数は6月に入ってほぼ二桁台にまで落ち着いていたが、下旬から再び増え始め、今月に入ってから急拡大し、連日300人、400人台の感染者が出ていた。一日当たりの感染者数は今年2月2日の597人がこれまでの過去最多で、今回、初の600人台となった。

 御坊管内以外の保健所別感染者数は和歌山市326人、海南37人、岩出42人、橋本42人、湯浅15人、田辺45人、新宮40人、県外8人。クラスターは御坊管内の2小学校、障害者支援施設、飲食店、和歌山市内の小学校、田辺管内のこども園、新宮管内の運動クラブの7件発生し、県内で計453件となった。県内感染者数累計は4万8494人、入院中は246人、病床使用率は48・1%、自宅・ホテル療養者は2307人。

 仁坂吉伸知事は13日の会見で、「ものすごい感染力が強く、大変なこと」と危機感を示し、「感染者数は多く出ているが、以前と違って重症者が少ないのが救いで、ワクチン効果だと推測される。いまの段階で不要不急の外出自粛や飲食店の時間短縮要請をするつもりはない。ただし、子どもらの陽性が確認された場合は、同居家族は保健所の連絡を待たず、自主的に7日間の自宅待機をしていただきたい。症状があればただちにクリニックを受診してほしい。これまでは保健医療行政で陽性者の周りの人の感染を確認し、封じ込めていたが、それをしている時間がない」と述べた。