参院選の与党大勝を受けて11日、岸田首相が早期の国会発議を目指す考えを示した憲法改正に関し、世耕弘成自民党参議院幹事長は同日、生出演したテレビ朝日の情報・ワイドショー番組の中で、「(自民、公明、日本維新の会、国民民主の)改憲に前向きな4党といえども、どこをどう改正すべきかという中身には違いがある。それを調整する議論が始まれば歴史的な一歩になるだろう」との考えを示した。

 世耕氏は憲法改正について、今回の選挙や世論調査の結果でも改正すべきという声の方が多くなってきている点を指摘。具体的な改正点についてはまだ議論の余地があるとし、自民党が提案している▽安全保障にかかわる自衛隊の明記▽大地震発生時等の緊急事態対応強化▽参議院の合区解消――など4項目のうち、「個人的には、緊急事態対応と参議院の合区解消を優先すべきだと思う」と述べた。

 このほか、会長だった安倍晋三元首相を失った自身が所属する党内最大派閥安倍派の運営に関し、次のリーダー選出は「まだ何も決まっていない。いまは全員(衆参合わせて90人以上)の一致団結が最重要だ」と主張。ポスト岸田候補となる安倍氏の後継(会長)選びは「いまはそういうことを決められる状況にない。ひと呼吸おいて、幹部でよく相談して方向性を決めたい」とし、政治の数の力の重要性を念頭に、派内の結束の固さを重ねて強調した。