8日の午前11時半ごろ、奈良市内の街中で街頭演説中の安倍晋三元首相が銃撃されるという衝撃的な事件が起こった。心肺停止となり病院に運ばれた安倍元首相に、多くの国民が回復を祈ったが、午後5時過ぎに死亡が確認された。

 今回の事件では、さまざまな意味で多くの人がショックを受けたことだろう。国の要人である元首相が、複数のSPが警護、また多くの聴衆が集まり、多くのカメラも向けられている白昼に殺害されたということ。その際に使用されたのが日本では厳しく規制されており、ほとんど事件が起こらない銃器だったということ。何より元首相であり、最近でもテレビでよく見る馴染みのある政治家が、衝撃的な亡くなり方をし、その場面を映像で目にしたからだろう。

 政治家が銃撃される事件は過去にもあり、最近では2007年に長崎市長選挙の期間中に、当時現職の伊藤一長市長が暴力団員に拳銃で撃たれて死亡した。ただ今回との違いは、逮捕された容疑者が暴力団などの反社会組織に属せず、また警察がマークするような人物でなく、(9日時点の報道では)一般人ということだ。

 さらに使用された銃器は手製で、インターネットで銃器の製作を調べた履歴が残っていたとのこと。元海上自衛官で、銃の射撃や分解の経験はあったかもしれないが、それでもマンションの一室で殺傷能力のある銃器を製造できる可能性があるのは恐ろしいことだ。

 恨みのある宗教団体とつながりがあると思ったという動機など、犯人に関してはまだまだ不明なことが多い。元首相の冥福を祈るとともに、速やかに真相を解明し、再びこのような蛮行が起こらないようさまざまな検証が必要だ。(城)