全国の新型コロナ感染者数は第6波がある程度落ち着いていたが、先月下旬から首都圏などで再び増加に転じている。和歌山県でも30日には、一日当たりの新規感染者数が36日ぶりに200人を超えた。先日、県内で初確認されたオミクロン株の変異株BA・5がさらに県外から持ち込まれているのではないかとの見方もあり、やはり油断はできない。

 一方、県は基本的な感染予防対策の徹底を呼びかけながらも、大人数や集団での会食自粛を解除し、関西広域連合のコロナ対策宣言でもイベントや行事への参加を控える必要はなく、人混みや大声での会話などによる感染リスクに注意しながら参加することとしている。警戒を怠ってはいけないが、確かに最近のコロナは感染しても重症化リスクが低いように感じる。ワクチン接種の効果もあるのだろう、普通のかぜのような症状に一段と近付いているように見える。

 そんな中、日高地方では御坊市やみなべ町鹿島神社の花火大会が中止を決めたが、日高川町商工会が8月6日、高津尾のふれあいドーム付近で3年ぶりに花火大会の開催を決定した。感染予防のためアユやウナギのつかみ取り、ステージショーは中止。花火大会には多くの見物人が訪れることが予想されるが、たいていの見学場所は屋外であることから、感染リスクは低いとみられ、現時点での開催の決断を支持したい。ここ3年間のコロナ禍で冷え込んだ県内経済。飲食や観光業の打撃は計り知れず、燃油高騰の追い打ちもあって農業や漁業も苦しい状況。経済復活に向けて、多少の感染リスクがあったとしても、そろそろ本格的に動き出さなければならない時ではないだろうか。(吉)