今月5日に、御坊ローターアクトクラブの創立50周年記念式典を取材した。

 ローターアクトクラブ(RAC)は、地域や大学を基盤に、18歳以上の若い人が世界159の国と地域で奉仕活動などに取り組んでいる。和歌山県には、御坊と和歌山大学を主体とした和歌山東南があるという。以前は他の地域にもあったが、地方の若い人が減り休会状態となっているようだ。御坊でも同じように若い人が減り、会員獲得が厳しい中、歴史を守り続けて50周年を迎えた。

 事前に式典開催の記事を書くため、事務局へ行って基本的な活動内容を聞き、古いアルバムを見せてもらった。留学生との交流、献血や清掃活動などボランティアの写真もあったが、印象的だったのは、ダンスパーティーやサイクリング、ボウリングなど親睦を深めるにぎやかな写真が多かったこと。RACは「奉仕を通じての親睦」を大切にしていて、会員数が多かった頃は男女の出会いの場になっていたという。式典の来賓も祝辞で、「自社にこれまで7人の会員がおり、うち3人がアクトのメンバーやアクトの活動を通して出会った人と結婚した」と話していて、確かな実績がある。

 日本の大きな課題である少子化の進行要因の1つは晩婚や未婚・非婚化と言われている。最近はマッチングアプリで出会うことも当たり前になっているようだが、活動の中で考え方が分かったり、周囲の人への接し方が見えたりしながら自然と相手を理解できるのは理想的。自治体も工夫を凝らしたさまざまなお見合い企画などを行っているが、「出会いのために来ました」という感じではなく、RACのように同じ目的に向かって長期的に活動する場を設けるほうが効果的なのかもしれない。    (陽)