みなべ町担当になって1カ月余り、さすが日本一の梅の里というだけあって、書かせてもらっている記事の8割ほどは梅関連。いまの時期は特に南高梅の収穫がピークでまさにまちは梅一色。車から降りるとさわやかな梅の香りが出迎えてくれるのがうれしい。

 そんなみなべ町では今月1日から30日まで、梅農家の作業を手伝いながらパソコンなどを使って自身の仕事をする梅収穫ワーケーションが行われ、都会の125人が参加している。新しい働き方を提案、実践する全国組織「Team WAA!」の企画。県内でのワーケーションと言えば白浜が有名だが、梅収穫を取り入れたワーケーションは斬新。大手消費材メーカーの人事総務本部長で、Team WAA主宰の島田由香さんは「満員電車に揺られて会社に行って仕事するのはナンセンス。どこにいてもいつでも仕事は結果を出せればOK」と話していたが、筆者も同感。また、普段できない貴重な収穫体験やみなべの木々、海の景色が、心身のリフレッシュになって仕事の効率アップにつながるとし、みなべでのワーケーションの実用性に太鼓判を押していた。

 町にとっても大規模ワーケーションは歓迎だ。梅収穫の繁忙期の人手確保につながるし、ワーケーターが町の魅力を発信する広告塔にもなってくれる。将来的には町での移住、定住につながる可能性も。そういった意味からも、今後梅収穫ワーケーションを継続するために、行政がワーケーターの宿泊や移動費の補助を出すのも手かもしれない。いずれにしても最近はコロナ予防にも効くことが分かった梅。健康面や地域活性化につながる梅の持つパワーは計り知れない。   (吉)