日高川河口で生き物を探す参加者

 御坊市塩屋町、塩屋文化協会(溝口善久会長)の30周年記念講演会「日高川干潟に棲む生き物に親しもう」が5日、河南中学校体育館と日高川河口で開かれた。

 日高川河口の干潟には絶滅危惧種など貴重な生物27種が生息しており、和歌浦や有田川の干潟と合わせてラムサール条約登録の候補地となっている。第1部では、和歌山大学教育学部教授の古賀庸憲(つねのり)さんが「日高川河口に棲む生き物たち」をテーマに講演。約40人が来場した。古賀さんは干潟の役割について「海を浄化すること、渡り鳥の重要な中継・越冬地」など説明し、水が苦手な魚のトビハゼ、一方のはさみが大きいカニのシオマネキなど貴重な生き物の生態を映像で見せながら解説。「紀伊半島西岸には特に大きな干潟はありませんが、いい干潟が点在しているのです。行政と地元の皆さんが連携すれば、ラムサール条約登録の可能性があります」と話した。

 その後、約30人が現地に移動して実際に生き物を観察。あいにくの雨の中も、レインコートなどで干潟の泥の中へ慎重に入っていった。古賀さんの指導で注意深く生き物を探し、トビハゼを見つけて大喜びする子どもの姿もみられた。