宮﨑さんに教わりながら国の予算について考える児童

 みなべ町の上南部小学校(爰川英人校長)で24日、財務局と税務署のコラボ授業が行われ、6年生37人が税財政について考えた。

 日高地方で初めて開催された両者によるコラボ授業で、講師は財務省近畿財務局和歌山財務事務所の宮﨑純菜さんと和歌山税務署の阿南由紀子さん。初めに宮﨑さんが「財政の未来を考えることは自分の将来を考えること。一人ひとりが将来を真剣に考え、どのように財政のバランスを取っていくかを考えることが大切です」と話し、今年度の国の予算が108兆円であることや、みんなで使う公共サービスなどに使われることを紹介。財政は歳出が歳入を大幅に上回り、毎年借金が増加している現状も説明した。公共サービス等を支える税金については阿南さんがクイズ形式でその種類や数などを伝えた。

 後半は、財務大臣になって国の予算を編成するグループワーク。児童は4~5人の班に分かれて、目指す国のテーマを決め、社会保障や防衛、教育など歳出予算と、所得税や消費税など歳入予算について現状から増減させるかを考えた。配布されたタブレットに増減割合を入力すると自動で予算案が計算され、子どもたちは、理想のテーマに近づけるほど跳ね上がる借金を少しでも減らそうと話し合っていた。

 発表も行い、「子どもと高齢者を優先する社会」「みんなに平等で優しい社会」「退職年齢を引き上げる」「国の借金をゼロに」など掲げたテーマと検討した予算を披露した。

 宮﨑さんは最後に「国の財政は、他人事ではなく自分事。テレビのニュースや新聞でもよく取り上げられているので、目にしたときはきょうの授業のことを思い出してくださいね」と呼びかけた。