昨年1月から12月までの1年間で、御坊市の基本台帳に基づく出生数は132人で、2000年以降の統計では過去2番目に少なかったことが分かった。前年の135人から3人の減少。最も多かった01年の297人と比べると半分以下となった。全国815市区の中でも727番目(20年の統計)の少なさで、あらためて少子化が進んでいることをうかがわせる。

 全国的に地方のまちは若者の流出などが影響し、出生数は減少の一途をたどっているのが現状だ。御坊市の過去の推移をみると、00年は285人だったが、05年に200人を割り182人。07~13年ごろまでは横ばいが続いたが、その後は再び減少に転じ、19年には過去最少の129人となった。

 小学校の児童数をみると、御坊小学校は1959年がピークで2764人となっていたが、今年度は358人で約8分の1。市内6小学校の児童数は4881人から、今年度は1020人と約5分の1まで落ち込んでいる。

 御坊小学校に通った市内の男性(57)は「当時は1学年6クラスだった記憶がある。運動会の昼食で応援に来てくれた家族を見つけるのも苦労した。普段の昼休みにドッジボールをしようと思っても、他のクラスとの場所取り合戦が大変だった」と50年ほど前の様子を振り返る。

 国勢調査による1925年から5年ごとの御坊市の人口の推移をみると、55年が3万1683人でピーク。以後、減少傾向と続け、90年の調査から2020年までの7回連続で減少。今年4月末の人口は2万2239人で、ピーク時の55年から約3割の減少となっている。 こうした現状を受け、市は少子化や人口の減少対策を実施。結婚から妊娠・出産まで切れ目なく支援しているほか、保健医療、福祉などにも力を入れている。子育て環境の充実も図り、人口減少を緩やかにすることに取り組んでいる。