県は17日、県内で不足している産科医の養成、確保に向けて、県立医科大学医学部入学選抜の2023年度募集分から、特別枠を設置すると発表した。産科に限定した募集枠は3人程度、産科、小児科、精神科を含めた募集枠は2人程度の計5人程度の定員で、いずれも全国から募集して修学資金(返還免除付き)を交付し、卒業後は9年間、県内の公的病院での勤務を義務付ける。
県内では有田市民病院や新宮市立医療センターの産科医不足で一時分娩を中止せざるを得ない状況になるなど、近年、産科医不足が深刻な問題となっており、県は3段構えの対策を計画。一つ目の全国からの医者のリクルートと、二つ目の県立医科大学に支援講座をつくって医者を集めて県内の病院に派遣する体制の構築はすでに実施しており、今回の3つ目では学生から産科医を養成する。
22年度の県立医科大学医学部募集定員は全体で100人となっており、うち卒業後に県内の中核病院で9年間(うち2年間は臨床研修)働くことが義務付けられる県民医療枠(全国募集)の定員は20人。内訳は学校推薦5人程度、一般選抜15人程度となっており、科の選択は自由。今年度の募集では産科希望がゼロだった。23年度からの新しい枠組みでの学生募集では県民医療枠の定員は20人で同じだが、学校推薦に現行の5人程度のほか、産科枠3人程度を新設。一般選抜は10人程度に減らし、不足診療科枠(産科、小児科、精神科から選択)2人程度を新たに設置する。全国で産科に限定して特別枠を設けての学生募集は初めて。修学資金の額などは今後検討する。
仁坂吉伸知事は「産科医が圧倒的に不足しており、抜本的な対策が必要。医者になるまで時間がかかるが、特別枠で若い人を養成したい。産科医不足は全国的な問題でもあり、国が特別枠を増設して産科医を養成すべき。少子化対策を言っているのに、産科医がいなくて分娩できないような事態は笑えない。国に強く要望していきたい」と述べた。


