CFに協力を呼びかけている石引さん

 由良町大引のダイビングスクール、有限会社スクーバサポートサービス(石引伸代表取締役)が、4年前に台風被害を受けた白崎海洋公園のダイビングを復活させようと、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を行っている。支援金でダイビングエリアに直接ダイブできる取り外し式の階段と機材洗い場を設置、多くのダイバーを呼び戻し、多くの人たちが安全に、快適な海のレジャーを楽しめる環境整備を目指している。

 海洋公園周辺を含む白崎の海は、20年以上前からスキューバダイビングの潜水スポットとして、関西圏を中心に多くのダイバーが訪れる場所だったが、そのうち「シャクシの浜」「タテゴ」のエリアや「水中洞窟」のポイントがある白崎海洋公園が、2018年9月の台風21号で大きな被害を受けた。

 昨年夏から町や地元漁協ら関係者の協力でダイビングが再開、少しずつダイバーが戻りつつある中、地元でダイビングスクールを運営、白崎の海を復活させたいと活動する石引さん(53)が、海洋公園に安全で快適にダイビングができる環境を取り戻すべく、今回のプロジェクトを立案した。

 支援金は白崎隧道南側出入り口近くにあるエリア「タテゴ」への取り外し可能な階段設置と、公園内「シャクシの浜」近くへのダイビング後の機材の洗い場設置に活用。目標金額の100万円に達しない場合でも実行、リターンは届ける。

 石引さんは07年に白崎小近くの現在地へ同スクールをオープン。町商工会の会員事業所で、日高郡内5商工会でつくる日高経営支援センターが行ったCFをきっかけに、町商工会の支援を受けてチャレンジしている。

 CFはサイト「キャンプファイヤー」を利用し、6月12日まで。多くの人にダイビングに興味を持ってもらい、気軽に体験できるようなリターンを数多く用意している。石引さんは白崎の海の魅力について「関西から近く、大阪以南の公式では最も北に位置し、また、紀南の方とは違う生き物が見られ、初心者から上級者まで楽しめるところ」。

 「白崎でのダイビングは町、ショップ、ダイバー誰もが望んでいること。これが復活の足がかりになって、ダイビングができる環境を維持、地域の活性化につなげられれば」と話している。