機械浴室で説明を受ける関係者ら

 6月1日、印南町西ノ地の高台に移転オープンする県福祉事業団の障害福祉拠点、多機能型事業所「陽(はる)」の新施設内覧会が11日開かれ、日裏勝己町長や町議が施設を見学した。

 場所は切目小学校西の上道改良住宅の一角にある高台の町有地で、町が福祉事業団に無償貸与している。陽は2011年、切目社会教育センターの近くに開設され、町内の障害者の日中活動の場として就労継続支援B型作業所、生活介護事業サービス提供の2部門で運営されている。しかし、この場所が津波の浸水地域に該当しているため、災害時の対応などに課題を抱えていた。重度の障害者が安心して生活介護サービスを受けられるようにと、町の無償貸与の支援もあり、高台にあるこの場所への移転が実現した。建築面積は403平方㍍、延べ床面積は394平方㍍。

 内覧会では、日裏町長が「重度の障害者が津波の心配なく利用できるのは安心にもつながります。この施設が障害者福祉の拠点となることを期待します」とあいさつ。関係者らが事業所の実際の設備についての説明を受けた。

 新しい陽では、日高地方の通所型事業所では初となる「機械浴槽」を設置。自動で浴槽が上下し、ストレッチャーに寝た状態で浴槽に浸かるため、重度の障害者のスムーズな入浴や介護者の負担も軽減できる。町の生活介護の支給決定を受けた障害者がサービスを受けることができ、対象者は入浴だけの利用もできる。福祉事業団の担当者は「町有地の無償貸与があったからこそ大きな設備投資ができたので、本当に感謝しています」と話していた。

 サービスの利用などの問い合わせは同事業所℡0738(43)1150。