5月に入り気温が20度以上になる日が続く中、御坊市と日高広域の両消防は、熱中症の予防対策を呼びかけている。熱中症の救急搬送が多いのは7~8月の夏場だが、例年5月から搬送される人が増加。今年も新型コロナ対策によるマスク着用や運動不足で、熱中症のリスクが高まっているとみられており、小まめな水分補給や体力づくりが求められている。

 消防によると、熱中症は体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能がうまく働かなくなって、体内に熱がこもった状態。めまいや筋肉痛、さらに吐き気やだるさの症状が現れ、ひどいときにはけいれんや意識障害が起こる。

 日高地方で昨年、熱中症によって搬送された人は、5月9日から9月20日までの間で37人。熱中症を引き起こす条件は、気温や湿度が高い、風が弱いといった「環境」、高齢者や乳幼児が暑い環境に十分対応できない、下痢や風邪、二日酔いで脱水傾向、寝不足で体調不良といった「からだ」、激しい労働、運動で著しく熱が体内にこもる「行動」にあるという。

 両消防は「マスクを着けると、皮膚から熱が逃げにくくなったり、気づかないうちに脱水になったり、体温調節がしづらくなる」として、新型コロナ感染症予防も併せた熱中症対策が必要と強調。ポイントとして「屋内ではエアコンや扇風機を使用。新型コロナ対策には適度な換気が効果的で窓やドアは2カ所を開け、空気の入れ換えを心がける」「暑さを避け、また、マスクを着用していると、のどの渇きに気づきにくくなるため、のどが渇いていなくても、こまめに水分をとる」「自宅で過ごすことが多いため、体力が低下していることがあり、適度に運動し、暑さに備えた体力づくりをしましょう。ですが、マスクを着けたままの運動は注意が必要です」と呼びかけている。

 また、国は熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に、国民に効果的な予防を促す「熱中症警戒アラート」の運用を開始。熱中症予防行動をとるよう促している。