靴磨きや革製品ケアの専門店をオープンした野尻さん

 シューシャイナー(靴磨き職人)の野尻悠貴さん(25)=日高川町土生=が先月30日、同町役場西向かいに革製品のケア・修理専門店「STILL SHINE(スティル・シャイン)」をオープンした。靴磨きから革製バッグや財布の手入れ、修理、染め替えなどを手がける。「大事な靴や鞄など少しでも長く愛用していただけるように、心込めて手入れさせていただきます」と張り切っている。

 高校生の頃から革靴に憧れがあり、京都での学生時代、アルバイトして革靴を購入。まだ新品のうちにネットなどで手入れの方法を調べ、早速自分で磨いてみると一段と美しくなった。その感動から靴磨きに関心を持ち、京都の路上で実践を開始。最初は独自の方法でやっていたが、先輩の靴磨き職人に教わってみると一人ひとり革製品への感覚や考え方も異なり、実に多彩な方法があることを知った。大学卒業後、姫路市で会社に勤務したが、やはり革製品を扱う仕事がやりたいと、帰郷して昨年から本格的に靴磨きと革製品の手入れの仕事を始めた。出張と預かり業務の形だったが、今回、晴れて店をオープンした。

 アルバイトでバーテンダーをしていた経験を生かし、店はバースタイル。現在はまだ認可を待っている状況で革製品関係の仕事のみだが、近く飲み物を提供しながら、靴磨きの職人技を披露する形になる。

 靴磨きのほか、人気メニューの一つはバッグの染め替え。長年使っていると、持ち手などどうしても黒ずみがちだが、明るい茶色などから深みのある褐色などに染め替えると黒ずみも目立たず、長くきれいに使える。「革は元々生き物の皮なので、人間の肌と同じくらい、もしかするともっと繊細なもの。手入れには細心の注意を払って取り組みます。亡き大切な人の形見など、古い革製品で使用をあきらめ、しまい込まれている品をお持ちの方にも、あきらめずに使っていただきたいというのが私の願いです。美容院に通うように定期的にケアをすれば、長く使うことができます。どうぞお気軽にお持ちください」と話している。

 問い合わせは野尻さん℡090―8388―3747。メールアドレスはstillshine.jent@gmail.com インスタはstillshine2021