日高川町議会議員選挙(定数12)が12日告示され、現職11、新人1の計12人の無投票当選が決まった。2期連続の無投票に批判もあるが、父が議員をさせていただいている関係上、正直ホッとしている。

 今回の結果は町の有権者の尊い判断であり、立候補者が信任を受けた証だが、2期連続の無投票が決していいとは思わない。現職勢にとって2回選挙がないということは、最低でも12年間選挙をせずに議員をすることになる。これがおごりや怠慢につながる恐れはないのか、議会の活性化、ひいてはまちの活性化の妨げになりはしないのか。

 77歳の父を擁護するわけではないが、個人的には議会の若返りを求めはしない。人生100年時代、元気であればやればいい。議会ではときにはベテランの知識や経験が必要な時もあるし、一方で若い行動力やアイデアが必要な時もある。要はいろんな世代の議員がいるのが望ましい。そういった観点でみると、日高川町は現職勢が全員60歳以上。今回、40代の新人が出てくれたが、20代や30代でも若い世代がもっと立候補してほしい。

 ただ、全国的にも地方議員の高齢化やなり手不足は深刻な問題。議員の全国平均年齢は64・8歳だそうで、近隣では今年1月の有田川町議会議員選挙が定数16に15人が立候補し、欠員1の無投票当選だった。若者が出馬しない背景には政治への不信感や無関心層の増加があり、議員報酬だけで家族の生計を立てられないのも要因。定数を減らして思い切って報酬を上げる手立ても必要か。いずれにしても無投票だからこその重み、責任がある。これを胸に一層の活躍を期待したい。(吉)