和歌山市毛見の和歌山マリーナシティに、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致が進められている。

 そもそもカジノは何も生産的なものを生み出さない産業。客を負けさせることで成立するビジネスモデルで、国が800億円超の税収を得るためには、それを越える多額のカジノ消費、つまり負けが必要となる。老後の資金や生活資金を消費し、それで経済成長といえるのだろうか。

 カジノはIR施設全体の3%以下の面積しかないので大丈夫だという人もいるが、IR全体の収益の8~9割がカジノで生み出される構造という。

 さらに、マネーロンダリングは大きな問題である。マネーロンダリングとは、資金洗浄という意味。カジノで汚い金をチップに変えてゲームに賭け、勝ち負けを繰り返し、同じ額を取り戻すことで、きれいな金にすり替えることができるのだ。カジノ法案で決まっている日本カジノのチップ購入方法は現金のみと決まっていて、さらに匿名性が高くなる。日本でも過去に暴力団による資金洗浄事件があった。

 依存症対策も必用不可欠。2004年にアメリカで行われた調査では、カジノから約16㌔以内に住む住民は、それ以外の住民と比べて依存症に陥る人の割合が2倍であったという。

 一方で誘致されれば、経済的な恩恵が期待できる。施設は民設民営のため、県の負担は一切ない。徹底的な調査が行われ、クリーンな企業のみ参画できる。雇用の創出や、観光客などの交流人口の増加も大きな魅力だ。依存症対策も徹底される。マイナンバーカードを用いた本人確認をし、入場料は6000円と高い。それぞれ長所、短所あるが、皆さんはどちらを選びますか。

(也)