文部科学省は1日、新型コロナウイルスの影響で、全国の大学等を中退した学生数などを発表した。

 昨年12月末時点で、コロナの影響による中退者は前年同期(1367人)の約1・4倍の1937人、休学者は前年同期(4434人)の約1・3倍の5855人だった。調査は全国の国公私立大、短大、大学院、高専計1073校で行われ、1032校が回答。

 コロナの影響ではないケースを含む中退者全体は、前年同月比3・8%増の2万9733人で、うち、コロナの影響によるものは6・5%だった。休学者全体は同1・4%減の6万4783人で、うち、コロナの影響によるものは9%。

 コロナの影響による中退理由の内訳は、「キャンパスに行きづらい」などの「学生生活不適応・修学意欲低下」が同10・3ポイント増の30・3%で最多。2番目が「経済的困窮」で19・9%、次いで「学力不振」9・2%、「就職・起業など」8・4%となっている。

 オンライン授業の浸透などにより、学生が人と関わる機会が激減したことによって、学生の意欲減退が目立つ結果となった。文科省は対策として、対面授業の促進や学生交流イベントの事例を紹介するなどして対応していくとしている。また、コロナ禍でアルバイトができずに経済的困窮に陥るケースも多く、対策が必用だ。

 新型コロナが蔓延し始めた2020年から、大学では対面授業が減少した。最もエネルギーがあふれる年頃の学生にとって、オンライン授業の連続、行き先の不透明感は大きな不安や焦り、失望感につながるだろう。

 一番の解決策は、若者への早期のワクチン3回目接種かもしれない。近く実現しそうな国産ワクチンなども活用してもらいたい。 

(也)