印南町は7日、議会3月定例会(10日開会)に提出する2022年度一般会計予算案を発表した。総額は65億214万8000円で、前年度比13・2%増の積極型。庁舎移転などで過去最大となった2015年度当初予算(67億8898万円)に次ぐ規模で、防災福祉センター(仮称)や統合中学校の建設事業など、町の大型プロジェクトを盛り込んでいる。

 歳入は前年度当初に比べ建設事業の町債が実質約7億8000万円の大幅増。ふるさと納税は前年度比2倍の1億円としている。一方で財政調整基金は例年並みの1億円の繰り入れに抑え、残高見込みは22億1385万円。

 歳出の主な事業では防災福祉センター建設関連(福祉のまちづくり拠点整備)で8億2124万8000円を計上。日裏勝己町長の公約の一つ「強靱で安全・安心の希望の持てるまちづくり」に向けた事業で、役場北側の高台(山口地内)に鉄骨造り2階建て、延床面積1824・1平方㍍の施設を建設する。本棟、倉庫棟、作業棟などがあり、①防災拠点②社会福祉協議会業務③保健センター業務④団体・サークル活動――の4つの機能を持たせる。防災拠点としては会議室、医務室、シャワー室などを整備、本棟と倉庫棟の間には面積175平方㍍の大屋根を設けて被災時ボランティア最大200人程度の受付・活動拠点として活用する。設計は今年度事業で西ノ地の株式会社寺前則彦設計室が請け負っており、近く完成する。予算が可決されれば5月中にも入札を行い着工。来年3月末完成、4月からのオープンを目指す。

 統合中学校建設事業は1億6253万円で、宇杉ケ丘団地東の新校舎建設予定地(面積7・5㌶)の測量調査設計業務費など。中学校統合に向けては今月3日、統合委員会が町に対して建設予定地を答申。今後、予定地の用地取得、造成、新校舎建設を経て2027年4月の開校をめどに取り組む。切目橋架け替え事業は3億100万円を計上。新橋建設が本格的にスタートし、完成は25年度末。ほか、ふるさと応援基金積立金1億円、町道上野山線(印南地内)工事請負費3億100万円など。