新たなまちづくりの拠点となる藤井・吉田の日高川河川敷

 官民でつくる日高川かわまちづくり協議会は17日、御坊市藤田町藤井と吉田区内の日高川右岸河川敷の利活用アイデアをまとめた日高川かわまちづくり計画概要を承認した。民間活力による収益施設としてスポーツ施設やキャンプ、釣りなど、公共・多目的利用としてドローン練習場やイベント利用、駐車場などを盛り込んでいる。今後、御坊市が主体となって4月以降、国のかわまちづくり計画への登録申請を行う。

 かわまちづくりは、地域が持つ「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を生かし、地域活性化や観光振興などを目的に、市町村や民間事業者、地域住民らが連携して地域のにぎわい創出を目指す取り組みとして、国土交通省が推進。2021年度までに全国で244カ所が認定され、国からソフト・ハード面で支援を受けている。

 日高川かわまちづくり協議会は御坊市、商工会議所、観光協会、日高川漁業協同組合、藤井区、出島区、県がメンバーとなって昨年10月に発足し、計画案を練ってきた。対象となるエリアは野口橋から野口新橋まで延長500㍍、幅60㍍、面積3㌶の右岸河川敷。北側には既設の藤井グラウンドがある。計画概要によると、基本コンセプトは「水辺から つくる ひろがる つながる 未来へ」とし、御坊市の総合戦略や総合計画の目標にも合致させていく。河川敷であるため水害リスクが高いことやトイレなどのインフラ整備が不可欠であることを念頭に置きながら、民間活力を利用してスケートボードや四輪バギーなどスポーツ施設としての利用、キャンプなどのアウトドア利用を計画。親水利用としてはカヌー、SUP、釣りなど。公共・多目的利用としてはドローン練習場やイベント利用(トラック市)、ロケ地誘致、公園や散策、グラウンドゴルフ、農園利用(土壌改良が必要)、進入路や護岸整備などを盛り込んでいる。季節ごとにキャンピングカーイベントや親子ふれあいカヌー体験、たき火イベントなどを実施し、通年で散策、ジョギング、サイクリングなどでも利用。日高川漁協ではアユ人工産卵床造成・親アユ放流なども計画している。

 計画概要は承認されたが、委員からは「絵に描いた餅にならないか」「大雨の増水で年1回は浸水するところに金を入れるのはいかがなものか」などの厳しい意見もあった。また、「河川のしゅんせつも併せて行うべき」との指摘があり、今後計画申請主体となる御坊市の三浦源吾市長は「臨機応変に対応したい」と前向きな姿勢をみせた。

 協議会の規約改正も承認され、これまで「藤井地区及び吉田地区」に限定していた対象エリアを削除し、今後は広く日高川下流域の魅力ある地域創出を検討する組織にした。また、事務局は県から御坊市に移管する。