アルミ缶とスチール缶を選別する利用者ら

 日高町荊木にある社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)の指定障害福祉サービス事業所、ワークステーションひだかは、作業の主力であるアルミ缶等の回収、選別が順調な実績を上げている。

 同事業所では就労継続支援B型という、障害者が軽作業を通じて就労訓練を行う福祉サービスを提供。県内のB型事業所の作業内容は、農業、カフェの運営など多岐にわたるが、食品加工や土産物の箱作りなどの作業が多く、アルミ缶の回収、選別を行っている事業者は珍しいという。

 ほかにも「原こん」という、同町原谷の特産品であるこんにゃくも製造、販売しており、こんにゃく芋100%で、弾力ある食感が人気になっている。

 県内に約160カ所あるB型事業所の工賃の1人当たり月平均額は1万7277円(2020年度)だが、同事業所では倍以上の工賃の支払いとなっている。20代から60代の男女、24人がアルミ缶、スチール缶等の回収、選別作業に汗を流していて、選別を終えたアルミ缶等をリサイクル業者に販売。特に回収量が多く、買い取り単価の高いアルミ缶の売り上げが大きく、その収益が利用者に対する工賃に反映されている。

 アルミ缶の回収を始めたのは約15年前。利用者の工賃になる仕事はないかと知恵をしぼり、まず美浜町吉原のローソン近くに回収箱を設置した。その後、御坊市内や日高町、由良町などにも設置箇所を広げていき、現在は日高地方内の約250カ所に設置。なかでも美浜町は回収量がダントツに多いという。

 ワークステーション管理者の出口和雄さんは「美浜町には太陽作業所があり、活動を応援して下さる方々も多く、これまで順調に回収量を伸ばすことができました。これからも障害者福祉に対するご理解、ご協力をお願いします」と話している。