冬季北京五輪が熱を帯びている。スノーボードハーフパイプで金メダルの平野歩夢選手はかっこよかった。フィギュアの羽生結弦選手のショートプログラムの不運としかいいようがないアクシデントと、動揺せずに素晴らしい演技を続けた心の強さ、4回転アクセルへの挑戦、さすがとしかいいようがない。幻の大ジャンプとなったスキージャンプ団体の高梨沙羅選手の謝罪文に「何一つ悪くない、謝る必要なんてない」と心からいいたい。メダルを取れようが取れまいが、筆者は大きな感動をもらっている。

 4年に一度の祭典、この2年間はコロナ禍でこれまでにない準備期間になっただろう。思うように練習ができない、行動が制限されることもあったはず。それでも不遇を感じさせない選手たちのパフォーマンスは順位に関係なく輝いて見える。思うような結果が出なかったとしても、国の代表としてこの舞台に立つこと自体が勲章である。

 冬季五輪は無事開催できているが、コロナ禍で多くの大会が中止となっている。本当なら次の日曜日、和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝が開催される予定だった。中学3年生にとっては最後のレース、練習の成果を披露する機会なく終わってしまったが、各市町の代表選手に選ばれただけで誇れることだと胸を張ってほしい。これまで頑張ってきたことに無駄なことは一つもなく、力になっていることは間違いない。

 本紙では5年連続登録競技者表彰の対象者だけだが、リレーで紹介している。一人ひとりの思いを読んでいると、スポーツには競技者の数だけドラマがあるんだとあらためて感じる。不遇を乗り越え、大きく羽ばたいてほしい。

(片)