連日、白熱のシーンが繰り広げられている北京オリンピック。歓喜に沸く勝者がいれば、悔し涙に暮れる敗者もおり、メダルを取ったとしても、うれしかったり、残念だったり、安堵したりとその感情はそれぞれ。昇りつめてきた挑戦者も、世界に君臨する王者もその本番を迎えるためにすべてを費やし、築き上げてきたから、順位にかかわらず感動を呼ぶのだろう。

 その裏では、SNSで選手を批判する人がいて、本当にくだらないと思う。応援している選手がいたり、いなかったり、その競技への興味の有無など好みはあると思うが、国の代表を勝ち取り、正々堂々戦っただけでも称賛されるべきだ。

 ノルディックスキージャンプ混合団体では、高梨沙羅選手らがスーツ規定違反で失格となり、その基準の不透明さが話題になり、ロシアオリンピック委員会の15歳のカミラ・ワリエワ選手にドーピング問題が浮上するなど、選手が純粋に競技に集中できない環境であることも悲しいことだと思う。

 五輪の話題のなかで、公式マスコット「ビン・ドゥンドゥン」が大人気というニュースを見た。ビンは氷と純粋さや強さを意味し、ビン・ドゥンドゥンは子どもで、合わせてアスリートの強さと意志を象徴しているのだという。宇宙服を着たパンダと思っていたが、よく見ると外側が透明な膜で覆われていた。これは氷でできた「シェル」で、無限の可能性を秘めた未来のため新しいテクノロジーの活用を表しているのだそうだ。そのほかにもいろいろな意味が込められているが、何より公式ホームページで公開されている普通のパンダがあの姿になるアニメーションがとてもかわいい。人気の秘密はこれかと納得。大会の盛り上げ役を十分果たしている。

(陽)