県は和歌山市のマリーナシティへの誘致を進めている統合型リゾート(IR)の区域整備計画案を作成し、県民意見(パブリックコメント)を募集している。締め切りは3月10日。

 計画案によると、IR区域全体のコンセプトは「和歌山の自然資源と世界最先端のテクノロジーの融合」とし、観光や地方創生、最先端技術を活用した利便性と循環型社会への貢献の両立などを目指す。IR区域の面積は23・61㌶で、関連施設の延床面積は69万7000平方㍍。主な施設としては▽MICE施設(国際会議場・展示施設)=6000人以上が収容可能な大会議場、2万平方㍍以上の国内初のエクステンション型アリーナなど▽魅力増進施設=日本の伝統文化に資する施設、日本の精神性を訴求する施設、温浴体験施設▽カジノ施設=カジノ行為に利用される部分はIR施設全体面積の3%以内――を整備する。

 経済・社会的効果としては、各施設への総来場者数は1300万人(30年度想定)、IR施設に対する投資金額4700億円、経済波及効果の建設時7100億円・運営時3100億円、来訪者による旅行消費額2300億円(30年度想定)、雇用従業員数6200人(同)。カジノ事業は全世界から観光客を集客するとし、IR事業の公益性の考え方の観点から区域外への投資を行い、地域全体の持続的な発展に寄与する。ギャンブル依存症対策の具体的内容もまとめている。

 計画案は県民からの意見を参考に修正され、県議会の議決を経て今年4月28日の期限までに国に提出される。計画案は県のホームページや県庁の企画総務課IR推進室、県情報公開コーナー、各振興局企画産業課で閲覧できる。

 意見の提出は、電子メール(e0201001@pref.wakayama.lg.jp)、郵送(〒640―8585、和歌山県IR推進室)、ファクス073―422―1812のいずれかで。