釈迦入滅を描いた「涅槃図」と堀口住職

 御坊市湯川町小松原、浄土宗九品寺(堀口正信住職)の本堂で、釈迦の入滅を描いた絵図「涅槃図(ねはんず)」が展示されている。

 毎年、涅槃会(ねはんえ、2月15日)のある2月に展示しており、今年も20日まで展示。作者や時代は不明だが古くから代々伝わる大きなもので、縦225㌢、横167㌢。掛け軸にした大きさは縦353㌢、横195㌢に及ぶ。

 北を枕に西を向いて横たわる釈迦を中心に、あらゆる生き物が集まって嘆き悲しむ場面を描いた図で、これが北枕の起源となったとされる。上の方には、仏母である摩耶夫人(まやぶにん)の一行が雲に乗って現れた姿が描かれる。なんとか助けようと薬を投げたが届かずそばの木にかかり、左側の樹木は葉を茂らせ、右側は枯れている。これが『投薬』という言葉の語源といわれる。堀口住職は「この1枚の絵にさまざまなことが描かれています。お気軽に立ち寄ってごらんください」と話している。

 同寺では、13日午後1時から涅槃会の法要を行う。また毎月第1・第3日曜午後4時から念仏会を開いており、いずれも誰でも参加できる。