昨年12月、御坊市湯川町丸山地内のJRきのくに線の踏切内で転倒した高齢の女性を助け出したとして、日高高校2年の岡本啓正君に、御坊署から感謝状が贈られた。岡本君は、遮断機の下りる踏切内で身動きがとれなくなっていた女性を見るや、警報機が鳴り響く中、非常ボタンを押して電車を止め、女性を抱えて踏切の外へと救出。その迅速で勇気ある行動に頭が下がる。

 以前、神奈川県川崎市の踏切で、男性2人が電車にひかれ、死亡する事故があった。当時の報道を調べてみると、警報灯が点滅し始めた踏切内に入り、とどまっていた男性を助け出そうと、別の男性が踏切内に入り、巻き込まれる形で事故が起きた可能性があるという。

 JR西日本のサイトにある「非常ボタンの重要性」には、「警報機が鳴り始めてから約30秒、遮断棒が降りてから約15秒で列車がやってきます。また列車は非常ブレーキを使っても、約600㍍近くは止まれません。直接救助に向かうのは危険ですので、絶対におやめ下さい」と大きく記載されている。「勘違いで無意味に電車を止めてしまったらどうしよう」と、非常ボタンを押すのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうかもしれないが、押さずに踏切内に入るのは確かに危険で安全とはいえない。

 普段から両親に「人に優しくしなさい」「困っている人を助けなさい」と教えられており、「それがよかったのかな」と岡本君。非常ボタンの重要性については、小学校のとき教わったそうで、その通り冷静に判断し、迅速かつ的確に実行する力にも感心する。2人とも無事という最高の結果。あらためて最大の賛辞を送りたい。

(笑)