箱詰めされるデコポン

 日高川町のJA紀州川辺果樹選果場で、ブランド柑橘「デコポン」の出荷がピークを迎えている。今年は特に甘味が強く、上々の仕上がり。3月中旬まで、東京や大阪を中心に「不知火(しらぬい)」全体で約140㌧の出荷が見込まれている。

 「ポンカン」と「清見」を掛け合わせた品種「不知火」のうち、光センサーのチェックで糖度13度以上、酸度1・0以下という品質基準をクリアした果実だけがデコポンの名前で出荷できる。濃厚な甘さとまろやかな酸味に食感がよく、皮がやわらかいのでむきやすいのが特徴となっている。同選果場のエリアでは、日高川町を中心に印南町、御坊市で130人が生産し、栽培面積は約9㌶。収穫は年明けから始まり、2~3週間の自家貯蔵の後、先月30日から荷受けがスタートした。

 同JA営農指導員の近田勝紀さんによると今季は、収穫量は平年並みで大きさはやや小ぶり傾向だが、昨秋に雨が少なかったことから例年以上に糖度が高く、7~8割をデコポンとして出荷。甘い柑橘の香り漂う選果場では、センサーのチェックを通過したデコポンが、パートの女性らによって丁寧に仕分けされ箱詰めされていた。近田さんは「とても甘くておいしく仕上がっているので、ぜひ味わって食べてほしい」と話している。

 JA出荷分は、印南町のフレッシュマート特産品直売所とみなべ町のほんまもんふるさと産地直売所で販売されている。