ヴィダ・リブレの「居場所」の様子

 共同通信社と全国の地方紙46紙が「地元に活気を与え、他地域のモデルとなる活動に取り組む団体」を表彰する第12回地域再生大賞の各賞受賞団体が決まり、県内からは唯一、美浜町でひきこもり当事者やその家族への支援を行っているNPO法人ヴィダ・リブレが近畿ブロック賞を受賞した。

 同NPOは、精神科医の宮西照夫さん(73)を中心に、臨床心理士、自らもひきこもり経験があるメンタルサポーター等が一体となり、和田の事務所で居場所の提供や、個別相談に対応している。

 評価された点として、ひきこもりの人たちが集い、苦しみを共感しあえる場を提供し、専門家が時間をかけて回復を支援して、すでに50人以上が地元企業などに就職、参加していること等が挙げられた。選考委員のタレント大桃美代子さん(56)は、「30年もの専門家の取り組みを地道につないだ魂の活動だ。ひきこもり経験者から後継者が生まれており、発展性がある」とコメントしている。

 ブロック賞は、大賞、準大賞(2団体)に続く4番目の賞。NPO理事長の宮西さんは「医師、臨床心理士、社会福祉士、メンタルサポーターなど、多職種で系統立った支援を継続できているところが評価されたのではないか。最近では支援対象に中高年の女性が増えてきており、ますます大きくなる期待に応えられるように努めていきたい」と話している。

 同賞の今年の副題はSDGsに注目し、「未来へつなぐ、みんなで」。持続可能なまちづくりや、次世代の育成、困窮世帯支援など多彩な活動を展開する50団体が47都道府県から選ばれ、大賞には山梨県で中高生等の居場所づくりなどに取り組む、河原部社(かわらべしゃ)が選ばれた。