県内の一日当たりの新型コロナウイルス感染者数が200人に迫る中、県は18日、昨年夏の第5波以来、約4カ月ぶりに県民に対して不要不急の外出自粛を要請した。昨年暮れには県内でも一時感染状況が落ち着いていただけに、県民からは「またか」「まだ続くのか」と落胆の声も聞かれるが、危機的状況であることを強調し、基本的な感染予防対策の徹底を呼びかけている。

 県内での感染者数は年明けから少しずつ増え始め、12日にはこれまでの過去最多となる93人の感染を確認。その後も連日のように最多を更新し、18日には196人となり、6日連続で100人以上の感染者が出ている。

 県は第6波で猛威を振るっているオミクロン株について、感染力は強いが、重症化のリスクが低いということで、県民の行動制限はできる限りせず、基本的な感染予防対策と保健医療行政での囲い込みなどで感染爆発を防ぐ方針だったが、コロナ病床も逼迫(ひっぱく)する中で、一定の行動制限が必要だと判断した。県民への不要不急の外出自粛は2020年ゴールデンウイークの第1波、21年4月中旬から6月上旬までの第4波、同年8月中旬から9月末までの第5波の時に出されている。

 仁坂吉伸知事は18日午後、臨時の会見を行い、「これだけ感染者が増えると、普通の感染対策だけで生活してもらうのは難しい。不便をかけるが協力してほしい」とし、野㞍孝子福祉保健部技監は「連日の感染急拡大で本当に危機的な状況。まだ感染者が増える可能性はある。一人ひとり感染しない対策を行ってください」と呼びかけている。

 引き続き大人数や集団での会食の自粛、1000人以上のイベントを開催する際の県への事前相談などを呼びかけているが、飲食店への休業要請はなく、県民の飲食やカラオケも換気に注意し、基本的な感染対策を徹底するよう求めるにとどめている。また、いまのところ国にまん延防止等重点措置の適用を申請する予定はないという。