仁坂吉伸知事は18日、新型コロナウイルス感染者への対応でこれまで全国で唯一堅持していた全員入院を断念し、自宅や県が確保したホテルでの療養に切り替えていく考えを示した。オミクロン株の影響で県内でも連日100人を超す感染者が出て、コロナ病床数が逼迫(ひっぱく)する中、やむを得ない決断となった。

 県では第6波の感染でも当初は全員入院の方針だったが、感染者数が急拡大し、県内のコロナ病床使用率が一時99・7%(15日発表分)にまでなった。仁坂知事は「入院してもらう方が感染者本人の安全は確実だし、実際にケアする側の手間や段取りもスムーズだが、ものすごい数で感染者が出ており、病院に全員が入院するのは現実的に無理。全員入院が患者にとってベストな方法だったが、できないのであれば、残念だが次はベターな方法でやらざるを得ない」と説明。「入院か自宅療養かは医師によるトリアージで判断される。自宅療養だからといってその人を放置するわけではない。きちんとウォッチして、ケアする」とし、前日に県医師会と締結した自宅療養にかかる保健医療の強化に関する協定に基づき、18日から本格的に県医師会に依頼して自宅療養の患者のフォローアップをしてもらうと報告した。

 県はコロナ患者の「自宅で療養中の健康管理」をまとめたチラシも作成。毎日3回の検温と血中酸素濃度測定、個室で過ごす、症状が強くなったらすぐ連絡などを求めている。
 会見ではワクチン3回目接種の見通しも示し、今月24日ごろから県内で高齢者への接種が始まり、一般は3月からスタート。4月4日の週までに2回目接種済みの県内72万3246人のうち98%分のワクチンが国から届くとし、仁坂知事は「私も3回目を打ちました。皆さんも接種券が届いたらすぐ申し込んでほしい」と呼びかけた。