今月10日の成人の日にちなみ、全国的に20歳を対象とした成人式が行われた。成人の日は大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を励ますという趣旨で、1948年に設定。日高地方でも4日と9日に各市町で実施された。華やかな着物姿の女性やスーツ姿の男性たちが会場に集まり、久しぶりに再会する級友らと笑顔で会話する姿がみられた。

 ところが、今年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる。民法で成人の定義が変更するのは約140年ぶりで、世界的に18歳を成人とみなすことがスタンダードとなっていることなどが改正の理由だという。4月以降は民法上、18、19歳の人も1人で契約することができる年齢となり、携帯電話、クレジットカードなどの契約が自分1人でできる。

 現在の成人式の対象年齢は20歳としているが、この考えからだと、18歳を対象と考えなければならない。だが、対象年齢を引き下げることで弊害も発生するため、多くの自治体は来年以降も今まで通りだという。しかし、三重県伊賀市は大人としての自覚を促すという意味で、成人式の対象年齢を20歳から18歳に引き下げると表明。変わり目となる来年の式は1月に20歳、3月に19歳、5月に18歳と3回に分けて行う。

 大人の意味をインターネットで調べると、「精神的に自立していること」「責任感があること」「一般常識を持っている」などと記載されている。いずれも抽象的な表現で、成人年齢の筆者も「大人か」と問われると、返答に困ってしまう。大人の定義はあいまいなように思えるが、ただ、大人になろうとする心を常に持つことが大人といえるのではないだろうか。

(雄)