18歳以下への10万円給付と国会議員の文書通信費もそろそろ賞味期限切れか。どちらも自分には直接関係がないせいもあって、海外の問題の方がずっと気になっている。

 一つは台湾との関係をめぐるリトアニアと中国の対立。台湾は中国が「我が国の領土の不可分の一部」として独立の動きに神経をとがらせ、先日も安倍元首相の「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」という発言に中国が激しく反発した。

 旧ソ連のリトアニアは独立後、NATOとEUに加盟。民主主義諸国との連携を強め、今年7月、台湾との外交窓口となる代表処を開設し、その名称を「台北代表処」ではなく「台湾代表処」とした。


 リトアニアは近年の人権弾圧などから中国への批判を強め、逆に台湾とは互いに経済的な連携を求めている。今回の中国による圧力に対し、2つの小国はともにまったく屈していない。


 もう一つの対立は、ウクライナをめぐるロシアと米国をはじめとする欧州民主主義諸国。ロシアはウクライナのNATO加盟方針を「越えてはならない一線」とし、今月に入り、国境周辺に10万人以上の軍を集結させている。


 ウクライナがNATOに加盟すれば、NATO軍の基地や兵器がウクライナに設置され、最前線が首都モスクワまで一気に近づく。かつての日本にとっての満州のように、国力増強と安全保障からも絶対に引き止めたい。


 韓国併合で朝鮮半島が日本となり、明治以来、旧ソ連の南下を警戒する日本(関東軍)は強引に現在の中国東北部を領有、満州国建国を宣言した。90年前の日本と現在のロシア、追い込まれて焦る気持ちは同じであろう。台湾、ウクライナとも決して対岸の火事ではない。   

(静)