11月5日は「津波防災の日」と「世界津波の日」。津波防災の日は2011年3月の東日本大震災を教訓に、同年6月に制定された津波対策の推進に関する法律に基づき定められた。世界津波の日は15年12月、国連総会で制定され、世界規模で地震、津波に対する危機意識を高め、対策を進めるための大きな弾みとなった。11月5日というのは、1854年に安政南海地震の津波が旧広村(現広川町)を襲った日で、その際、濱口梧陵が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの命を救った逸話「稲むらの火」に由来する。

 2つの記念日を提唱したのは先月末の衆院選で13選を飾った二階俊博氏。巨大地震、津波の発生が予想されている和歌山をはじめ、国や世界の安心、安全を守る施策を、与野党の枠を超えて推進したのはさすがベテランの手腕。今回、82歳という年齢に現役続行への不安や批判もあったが、本人は「200歳まで頑張る」と笑顔。人生100年時代と言われるようになったが、さらに倍。その気力とやる気、そしてふるさとを思う気持ちに頭が下がるし、引き続き国政での活躍を期待する。

 そして、二階氏が願う国土強靱化への思いは確実に広がっている。今年も11月5日や前後には各地で避難訓練が行われ、印南町でも3日に全町民、5日に小中学生を対象に訓練。現場では情報伝達で手違いがあったのだろうか、町幹部から怒号が幾度となく飛び交う場面も。万一の際は命にかかわることであり、例え訓練でも本番さながらに取り組む姿勢に感心。住民の安全、安心を守るため政治家も町職員も常に真剣勝負をしているのだと、心強く感じた。     (吉)