1996年に発売され、爆発的な人気となったバンダイの携帯型育成おもちゃ「たまごっち」。当時は女子高生から火がつき、幅広い年齢層に広がった。商品の品薄が続き、たまごっちを持っていることがステータスとなったほどの空前の大ヒットで、約2年間で約4000万個を売り上げたという。その大ヒット商品の発売から今年で25周年を迎え、さらに進化を遂げた「たまごっちスマート」が今月23日に再発売された。

 たまごっちはキャラクターの「たまごっち」にエサを与えたり、フンの掃除をしたりしてたまごっちに関わり、コミュニケーションをとっていれば機嫌がいいが、世話を怠ると機嫌を損ね、最悪の場合は死ぬこともあるというゲーム。新機種のたまごっちスマートはタッチ液晶とマイクを搭載し、世話をするほどなつくようになるという。

 たまごっちはゲームだが、筆者は2人の子どもを持つ父親。長男は働き始め、長女も今年春に20歳の誕生を迎えた。できるだけ子どもとの関わりを持ちながら子育てしてきたつもりだが、今になって思えば「小さい時にもっと一緒に出かければよかった」「もっと子どもの気持ちになって接してあげればよかった」などの思いがある。時には「あの時に戻れれば」と考えてしまうことも。

 今回、発売になったたまごっちスマートは当時の大ブームを思い出して購入するという大人も多いという。その中には子育て中の人もいるだろうが、リアルな子どもの成長をリセットすることはできない。たまごっちに夢中になりすぎて、我が子に手をかけることを怠ってしまわないようにと願う。 
      (雄)